Zimmer Biomet社は、BarTenderを使用して従来のグローバルラベリングシステムを再構築し、これまでにないシステム効率性、規制遵守、99.99%のアップタイムを実現しています。

医療機器メーカーのZimmer Biomet社は、合併や買収を経て規模を拡大するなか、「標準化されたラベリングプロセスによって効率性を高める」、「特に審議中の欧州医療機器規制（EU MDR）に対する世界的なコンプライアンスを実現する」という2つの目標を念頭に置き、世界中にある自社の施設全体で様々なラベリングシステムを統一しようとしていました。Zimmer Biomet社は、Innovatum社のROBARソフトウェアを採用し、ラベルのデザインと印刷はBarTenderが担当しました。

課題

米国インディアナ州に本社を置くZimmer Biomet社は、整形外科用インプラントやその他の筋骨格系テクノロジーおよびサービスの設計、製造、マーケティングを行い、25カ国以上で事業を展開する世界最大級の医療機器メーカーです。同社は、世界中の数多くの医療機関と提携しています。

Zimmer Biomet社は合併と買収を経て設立され、買収のたびに新しいレガシーシステムが導入されたため、各施設で機能が異なっていました。

特に懸念されたのはラベリングでした。従来のシステムでは設計やデータ構造に制限があり、拡張性がありませんでした。多くのシステムは、2次元データマトリックスなど、医療機器のラベリングに不可欠な新しいバーコードの一部を生成できませんでした。不十分なベンダーサポートと社内の人員削減によって状況はさらに悪化しました。印刷の遅延やシステムによる停止が発生し、同社は正確性を維持するために多大な労力を費やさなければなりませんでした。

このような非効率性は事業の収益性に影響を及ぼし、米国FDAや世界的な取引先との規制遵守を維持することが非常に難しくなりました。

Zimmer Biomet社のグローバルラベリングマネージャーであるAimee Wright氏は、新しい一部のバーコードの処理ができなくなっていると語っています。「私たちは、プリンターにハードコードでコード形式を書き込まなければなりませんでした。システムで何千ものSKUを管理していたため、新しいラベルデザインのたびにITチームの作業が必要でした。」

さらに、Zimmer Biomet社は、欧州連合（EU）の差し迫った医療機器規制（EU MDR）からの膨大な要件に対処しなければなりませんでした。

解決策

ラベリングシステムの選択

2009年、Biomet社はフロリダ州にある歯科医療施設にBarTenderを含むROBARを企業向けラベリング用に導入し、その後ニュージャージー州の施設とインディアナ州の本社にも導入しました。

2015年にZimmer社とBiomet社が合併した際、同社は急成長ペースに対応し、プロセスの効率化を実現すると同時に、新たな規制基準へのコンプライアンスを可能にするシステムを必要としていました。既存のシステムを比較した結果、ROBARが決定的に適切であることが明らかになりました。

同社の決定は、ROBARプラットフォームのクラス最高のユーザーエクスペリエンス、ROBARチームが提供する非の打ちどころのないサポート、そしてBarTenderの適応性に基づいています。「システムの使いやすさ、監査への対応力、拡張性、設計能力が決め手となりました。規制に対応するために必要なものはすべて含まれていました」とWright氏は言います。

ROBARは、冗長化されたサーバーアーキテクチャと99.99%のアップタイムパフォーマンスを含む、弾力性と俊敏性のあるプラットフォームを提供しました。「例えば、1つのテンプレートを使って、3万種類のSKUのラベルを印刷できたことに驚いています。このテンプレート1枚で、75の異なる企業や製造委託先で、様々な解像度の約50の異なるモデルやブランドのプリンターで印刷できました」とWright氏は述べました。

ラベルの翻訳とローカリゼーション - ROBAR Destination Labeling

Zimmer Biomet社はオランダの物流施設で、2019年にROBARのDestination Labelingモジュールを導入しました。ROBARは、インテリジェントなSAPガイド付きピッキング、使用説明書（IFU）の印刷、貨物の最終目的地に基づく必要な補足言語ラベルの作成を管理します。梱包ラインでUDIバーコードをスキャンするだけで、ROBARは製品ラベルにすでにどの言語が記載されているかを判断し、出荷先で必要な言語を評価し、1秒以内にラベルに補足言語を印刷します。必要に応じて、ラベル以外の必要書類も印刷します。正確性を確保するため、ラベルのバーコードとIFUをスキャンし、正しい書類が正しい製品に添付されていることが確認されます。

かつてない俊敏性、規制遵守、自動化された変更管理

既存システムの制限により、同社は以前、ラベルファイルに多くの静的要素を使用していたため、管理しきれない数のラベルテンプレートが必要でした。現在では、ラベリングはROBARの組み込みデータベース管理システムに保存された動的データと接続されています。少なくとも12種類のPLMおよびERPシステムとの統合により、重要なラベルコンテンツと製造データの適切なソースが可能になります。BarTenderの条件付き印刷機能を活用し、ROBARはデータをラベルテンプレートに結合し、統合されたワークフローモジュールを使用してレビューと承認のためのサンプルを生成します。

このシステムは、大規模な変更を処理し自動化するために構築されています。これは、複数の規制環境にまたがって効率的に運用するための要件です。ROBARは、大量の更新を管理し、必要なPDFを生成し、朱書きバージョン比較と電子ラベル承認を自動化する敏捷性を提供します。Zimmer Biomet社は、Brexit CE変更のような非常に大規模な変更管理を、125,000以上のラベルにわたって瞬時に処理できます。

現在、70社以上の外部ベンダーからのユーザーを含め、800人以上のユーザーが毎日約9,000件のマルチコピーラベル要求を処理しており、Zimmer Biomet社は常に要求通りにラベリングされたコンポーネントを受け取れます。ベンダーは、シンプルなブラウザベースのインターフェイスを使用してインターネット経由でROBARにアクセスし、ローカルクライアントやアプリをベンダーのシステムにインストールする必要はありません。Zimmer Biomet社のラベルを印刷するためにZimmer Biomet社のネットワークにアクセスする必要もありません。ROBARのデータベース管理システムは、社内外の印刷オペレーターの完全な監査証跡を取得し、規制遵守と業務効率を維持します。

このシステムは、ROBARの冗長化、負荷分散、自動フェイルオーバーアーキテクチャにより、99.99%のアップタイムを達成し、世界中で約3秒で最初のラベリングを完了します。また、追加サポートが必要な場合には、ROBARのサポートチームが応答時間は数分単位で、毎日24時間体制で対応します。

複雑なラベリングを簡素化

ROBARとBarTenderは、ラベルをデザインするために、高価でカスタマイズされたテーラーメイドのコーディングに頼るのではなく、設定可能でユーザーフレンドリーなエクスペリエンスを提供します。「ROBARとBarTenderのおかげで、ラベリングの課題点をコントロールできるようになりました」とWright氏は発言しています。「ラベルのコンテンツ管理とフォーマットデザインは、ITチームからの支援を最小限に抑えながら、私たちの部署内ですべて行っています。このソリューションのおかげで、このミッションクリティカルな機能にデータガバナンスと構造を適用できました。」

BarTenderは、Zimmer Biomet社に使用例を拡大する柔軟性を提供します。スマートラベル用にRFIDをエンコードすることは、バーコードの作成と同じくらい簡単でした。また、特別な注意が必要な場合には、VBスクリプトも利用できます。

将来の成長に備える

「これほどユーザーフレンドリーで、反応の良いラベリングデザインシステムはないと思います」とWright氏は言っています。「レイヤー、Visual Basicスクリプト、そしてBarTenderに標準装備されているその他の機能により、プロセスを合理化できます。Zimmer Biomet社にとって印刷はミッションクリティカルであり、レスポンスタイムはこれまでにないほど重要になっています。ROBARとBarTenderに移行したことで、他のソリューションでは見られなかった無限のチャンスが生まれました。将来について戦略的に考えられるようになりました。当社にとっては大きなプラスの影響をもたらします。」