Vetter Pharma社は、BarTenderをSAPと統合し、注射器やカートリッジの製造において、特定の顧客要件、製品のトレーサビリティ情報、シリアル化スキームに対応したカスタマイズ可能なGMP準拠ラベルを作成しています。

シリンジやカートリッジの臨床開発、製造、包装において、正確で追跡可能なラベリングを行うことは、患者の安全にとって極めて重要です。2012年以来、Vetter Pharma社は、AutoIDのスペシャリストであるOPAL社のSAP統合ラベル管理ソフトウェア（シーガルサイエンティフィック社のBarTenderソフトウェアが含まれる）を使用しています。その結果、最高品質でコンプライアンスに準拠したラベリングプロセスが実現しました。

Vetter Pharma-Fertigung GmbH & Co.KGは、注射用医薬品の臨床開発と商業生産における世界的な大手製薬サービスプロバイダーです。同社はシリンジ、カートリッジ、バイアルの無菌充填を専門としています。Vetter社は、製品ライフサイクル全体のプロセスを管理し、前臨床開発や薬事承認などのサービスを世界市場の製薬会社やバイオテクノロジー企業に提供しています。同社の従業員総数は欧州と米国で約3,300人です。年間約1億8,000万個を生産するVetter社は、プレフィルド注射システム分野における世界的なマーケットリーダーです。

ラベンスブルクの施設からは、毎日約2,000箱の注射剤が出荷されます。それぞれの箱には専用の出荷ラベルが貼られており、年間約45万枚の出荷ラベルが作成されます。「当社は受託製造業者です。つまり、当社自体は直接薬を市場に提供するのではなく、お客様である製薬会社に完成品を納品するだけです。ラベルの作成方法はお客様が決定します。それぞれのお客様は、その後の処理作業のためにラベルに特定の情報を必要とします」と、Vetter社のSAP®キーユーザー生産マネージャーは語りました。Vetter社が制作するラベルは、さまざまなレイアウト、ロゴ、フォントに対応しなければなりません。1次元バーコードとデータマトリクスコードには、バッチ番号、有効期限、顧客の材料番号、規則で定められたシリアル化スキームなど、さまざまな可変情報が含まれています。

Seagull Scientific社のBarTender®を使用したラベルレイアウトの作成

同社は2005年以来、ラベルレイアウトの作成にBarTenderラベルデザインソフトウェアを使用しています。BarTender® Enterprise Automationエディションには、Vetter社が必要とするラベルデザイン標準を管理し、同社の既存のSAP®テクノロジーインフラと簡単に統合するための強力な機能が含まれています。「このエンタープライズレベルのソフトウェアツールによって、完璧なバーコードラベルを素早く印刷できます。このツールは非常に使いやすく、初めての人でも簡単に習得できます。」このソフトの柔軟性もVetter社では好評です。BarTender®は、すべてのWindowsフォントとプリンターをサポートし、Unicodeをシステム全体でサポートしています。

ラベリングプロセスとSAP®の統合

Vetter社の継続的な品質改善戦略により、同社は既存のSAP®システムでBarTender®ラベルを印刷できる新しいラベリングソリューションを探すことになった。「私たちはBarTender®ラベルデザインソフトウェアで素晴らしい経験をしており、スタンドアロンで実装された既存のBarTender®からラベルフォーマットをインポートしたいと考えていました」と、Vetter社のITアプリケーション部門のマネージャーは述べました。Vetter社はまた、バージョン作成、ラベルフォーマットへのセキュアなアクセス、プリンターの直接制御、そしてGMPラベリング基準の完全な遵守を必要としていました。

SAP®に精通したAutoIDスペシャリスト

利用可能なラベリング技術を調査した結果、Vetter社は、OPAL SAP®が統合されたLabelmanagementシステムの導入を決定しました。500件以上の大規模で複雑なSAP®とBarTenderラベリングシステムの統合に携わったOPALの豊富な経験が、決定に影響を与えました。

３システム環境のインストール

OPAL社は、Vetter社の要件に従い、開発、テスト、製造の3システム環境をインストールしました。これにより、SAP®システムを介してラベルの作成、印刷、管理が可能となり、OPAL Labelmanagementソフトウェアには多くのパラメータが標準オプションとして用意されています。ラベルフォーマット、ラベルプリンター、ロケーション仕様は、OPAL SAP®統合システムを通じて直接管理されます。

Vetter社によれば、ラベルフォーマットは、ソフトウェア開発のスキルを必要とせず、すぐにセットアップが可能です。Labelmanagementシステムはユーザーフレンドリーで、最初から使いやすくなっています。Vetter社のチームは、ラベル作成プロセス全体に組み込まれたセキュリティにも満足しています。レイアウトの変更はすべて、GMPの要件に従ってOPALソフトウェアによって記録されます。ハードウェアの故障が発生すると、即座に通知が届き、システムオペレーターがすぐに対応できるようになります。

「OPALは、システムの導入だけでなく、検証文書やトラブルシューティングもサポートしてくれました。サービスにも、従業員に提供されたトレーニングにも非常に満足しています」

切り替えと本稼働

システムの完全な切り替えは6ヶ月かけて行われました。ラベルフォーマットはこの段階で設定され、新しい統合されたデータソーシングプロセスへの円滑な移行を可能にしました。アップグレードされたソフトウェアがインストールされました。新システムは2013年第2四半期に稼動しました。

透明ラベル印刷プロセス

今日、Vetterは最新鋭の梱包ラインを使って、梱包、パレット積み、出荷準備を行っています。カスタマイズされたラベルレイアウトは、アイテムごとに保存されます。顧客および製品ごとに必要なラベルクラスデータの電子カタログを作成し、ラベルデザイン工程に条件付き印刷や他言語などの機能を自動的に組み込むことを可能にしました。顧客の材料番号、注文番号、バッチ番号などの特定の情報は、注文ごとにSAP®から直接引き出されます。

産業用プリンターによるラベル印刷

Vetterの施設では、複数の異なるメーカーからの約30台の産業用ラベルプリンターが使用されています。印刷コマンドはSAP®で開始され、バッチプロトコルのデータ記録と印刷を行います。ラベリングの直接制御も新システムで設定できます。「印刷ジョブのたびに新しいラベルを作成する必要がないため、事前に正しいラベル用紙をプリンターにセットしておき、ボタンをクリックするだけで、印刷するラベルを選択できるようになりました。

自動データ提供による品質向上

Vetterによれば、ラベリングプロセスにおけるデータの自動管理は、さらなる品質向上につながりました。「ラベルの可変データをデータベースから直接入力することで、手動入力の必要性が完全になくなります。これにより、正しいラベルに正しいデータを提供することが保証されます。現在、SAP®に統合された完全な自動ラベル管理ソリューションを運用しています」と、Vetter社ののIT担当者の2人は語りました。このシステムは、GMPに準拠したバージョニングと、ラベルフォーマットの完全な監査証跡を提供します。「今では、誰が、どの製品のために、いつフォーマットを変更したのか、誰がブロックやリリースを開始したのかを常に把握できます。これにより、ラベリングプロセスの文書化に関するすべての義務を果たせます。」

シリアル化による拡張

シリアル化機能が追加され、世界的な医薬品トレーサビリティ規制に準拠するためのシステムの範囲が拡大されました。現在、各製品には個別のシリアル番号が付されており、必要に応じて適切な規制機関に登録されています。「OPALラベル管理ソリューションのもう1つの利点は、このプロセスを拡張可能にすることです。」

Vetterは現在、バッチレベルの印刷ストックから、パッケージ作成時に個々のラベルをオンデマンドで印刷する方法への変更を検討しています。「現在、すべてのバッチはバッチプロトコルを使って準備されています。ラベルの数は注文数量に対応しています。ストックとして印刷し、手作業で貼り付けることもできます。現在、分散印刷を検討しています。つまり、パッケージが作成されるたびに、プリンターがラベルを印刷します。ラベルは、パッケージが作成され、SAP®に登録されると、さまざまな場所でオンサイトで印刷できます。